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名付けと呪


ご存知の方も多いと思いますが、ワタシの本職は編集業です。
記事を書くこともないわけではありませんが、ワタシが担当しているのは、
主に作品を本としてまとめるための作業がメインで、いわば裏方です。

先日、うちの会社に単発でテープ起こしの仕事が舞い込みました。
特に誰がやっても良かったのですが、やりたがる人がいなかったので、
単発仕事大好き(たまに違う仕事入ると気持ちにメリハリでるから)
そしてキーボードを打つという「動作」を超絶愛してるワタクシ、
すかさず立候補して、メインの仕事の合間にちまちま進めておりました。

それは、とある場所で開催された公開講座の内容をテキストに起こすというもので、
伝統仏教関係のお話でした。

講義内容を追いながらキーボードをだかだか叩いてテキストに起こすのですが、
あらかじめ渡された資料やレジュメにはない専門用語がポコポコ出てきます。

耳慣れない抑揚の、なじみのない言いまわし。つながらない意味。

それらがあっという間に流れ去っていきます。

なんか聞き間違ったかな。

止めては、聞く。止めては、聞く。何度も聞き返してみる。
会場内にはたくさんの物音がしていて、
時にはマイクの音がこもったり、重要な単語に咳などがかぶさって、聞き取れないことが多々あります。
けれど、聞き逃したわけではないらしい。

音はちゃんと拾えているように思うのです。
なのに、意味がつながらない。
というより、謎の音階のように、まったく言語に聞こえないことすらあるのです。


「これは、じねんほうにでありまして」
「ちょうさいようごうであると」
「じょうぎょうだいひのやくというものです」


なんだ。今なんて言った。それは用語か?ただの聞き間違いか??

どんな言葉かまったくわからない。どんな意味か想像もできない。
あてはまりそうな漢字のヒントも浮かばない。

それはもはや、単語ではなく。「正体不明の何か」


今は便利な時代ですからね。
拾った音を頼りに、ネットで検索してみます。

正体不明だったそれらの「音」が、

じねんほうに「自然法爾」
ちょうさいようごう「兆載永劫」
じょうぎょうだいひのやく「常行大悲の益」


だと判明した瞬間、唐突に認識がかわりました。
もう2度目からは聞き漏らすことがなくなりました。
存在を、追えるようになったのです。
それがなんであるかを理解し(用語の細かい意味はおいといて)
「正体不明の何か」から、「意味を持った存在へとシフトしたからです。


で、これまた唐突に理解しました。
よくファンタジー、あるいは術なんかでよく言われている、
相手の「真名」を知ることで、相手の存在を縛るというやつ。

もちろん知識としては、知っていました。
何度か精霊の名づけをしたことだってあります。
けれどそれは、「契約上必要だから」とか「便宜上必要だから」という程度のものでした。

今まで、なにもわかってないで名付けてた。
便宜上の呼び名なら、それでもまったくかまいません。
ただ個体を識別するためなのですからね。


今回はじめて、「名」「存在」「固定する」ということの意味を知った気がします。
同時に、どうして言葉が「呪(しゅ)」になるのか、も。


もともとワタシは人を嗤ったり軽んじたりする言葉が好きではありませんし、
それを冗談として扱うことも苦手です。
(双方同意のうえで、そういうプレイを楽しんでいるなら別です)

他者を軽んじる言葉の何がいけないのか。

言われた側にとってそれは容易に「呪」になり得るからです。
発する側がどんなつもりであったとしても。
表向きまったくノーダメージで、一緒に冗談を楽しんでいるように見えたとしても、
最悪の場合、相手の無意識に、練りこまれます。


そんなこと気にしてたら、友達と冗談も言えないよ!
という人は、たぶん、好意と敬意の違いを考えてみたら良いのではないかな。
同じ内容を、いくらでも、別の言葉で表現するすべはあるはずです。

よくスピとかで言う、
ネガティブなことを考えたら/言われたら、ポジティブな言葉で打ち消せ、上書きしろ、

というやつ。

あれ、ワタシちょっと軽く見てたんですけど、
つまりは呪の無効化でもあるんですね。

小難しいこと置いといて、単純に
上げて落とされるよりは、落として上げるほうが、まあ後味は良いですよね。

(それもある種の呪縛になったりするんですけど、とりあえず今回は置いときます)


なんというか、理屈ではわかってたんだけど、どういうことか理解してなかったです。


それを図らずも本業のお仕事を切っ掛けに、体で知った、という気がしています。

あくまでワタシの感じたことですので、人の数だけ、意見も感じ方もあると思いますけれどもね。




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Posted by  tsgmi on 02.2018 スピリチュアル   0 comments


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Author: tsgmi
はぐれ魔女。
あるいは、矛盾の錬金術師。
本業は編集デザイン。
たまに、ないると名乗ります。

ときにカード鑑定してみたり、天然石やハーブをつかって妖しげな術をしてみたり。
たいていワタシのほうが右往左往しています。何か手助けが必要な際は、遠慮無くお声がけを。

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